香港高層マンション火災で死者55人に 日本は大丈夫?注目すべき“3つの違い”

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香港・大埔で起きた大規模火災は、発生から24時間以上が経過した今も鎮火に至っていない。31階建てマンションを含む7棟に火が広がり、死者は55人、そしてなお270人を超える住民の所在が確認できていないという深刻な事態となっている。

現地の住民によれば、火災はあっという間に高層階へと達し、まるで一本の木が燃え上がるように炎が建物を包み込んだ。サイレンを聞いた住民の証言からも、発生当時の混乱が伝わってくる。

■ 日本でも同規模の火災が発生する可能性は?

今回の香港の火災を受け、日本で同じような事態が起こり得るのかという不安が広がっている。
元麻布消防署長の坂口隆夫氏は、 「日本の高層マンションでは同様の大規模延焼は極めて起きにくい」 と指摘する。

理由は主に3つある。


■ 1. 建物の構造が“延焼を前提としていない”

日本のマンションでは各住戸が耐火構造で区画され、天井・床・壁・玄関扉まで「燃えにくい」仕様で統一されている。

「仮に一室で火災が起きても、隣室や上階にすぐ延焼しない構造になっている」

と坂口氏は説明する。

一方、香港の火災現場では改修工事が行われていたことが判明しており、外壁などに防火性能の基準を満たさない素材が使われていた可能性も指摘されている。


■ 2. 避難設備の安全性に大きな差

日本では15階以上の建物に「特別避難階段」の設置が義務付けられている。
これにより、炎や煙が階段内部に入りにくい仕組みになっている。

「香港では『逃げられない』という通報が多数あったが、日本の高層マンションでは階段そのものが耐火区画で守られている」

と坂口氏。

高層マンションでの避難がパニックに陥るのを防ぐための仕組みが、法制度として整備されているのが大きな違いだ。


■ 3. 火災時の消火体制と設備

東京・荒川区で起きた39階建てマンションの火災では、はしご車が届かない高さでの火災にも関わらず、建物内部から放水できる「送水口」が効果を発揮した。

消防隊員がホースを延長し火元階で放水し、約2時間半で鎮火したという。

香港の火災現場には同じような設備があったかは、現時点では明確になっていない。


■ 香港の現場はいま

現地では1,200人以上の消防隊員が懸命な活動を続けており、はしご車による放水は27日になっても続いている。
夕方には赤い炎が再び建物の間から立ち上り、そのたびに現場は緊張に包まれたという。

30階以上の階に取り残された住民の救出は非常に難航しており、黒煙が今もなお立ち上る。
しかしそのような中、31階から高齢男性が救助されるという明るい知らせもあった。


■ まとめ

香港で起きた未曾有の高層火災は、多くの犠牲と行方不明者を出し、今も全容の把握すら困難な状況だ。
しかし専門家によれば、構造・設備・法制度の違いから 日本の高層マンションで同規模の延焼が発生する可能性は低い とされている。

それでも火災への備えは万全とは言えない。
今回の悲劇を教訓とし、住民自身の防災意識を高めることが改めて求められている。