安倍元首相の遺族に初めて謝罪 山上被告、殺害は「間違い」―銃撃事件公判・奈良地裁

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弁護側から遺族に向けた思いを問われた山上被告は、
これまで語らなかった家族への言及を初めて行い、
次のように述べた。

「安倍元首相の家族には何の恨みもありません。
この3年半、つらい日々を過ごされてきたと思います」

続けて、

「私自身も、肉親を突然亡くす経験があり、その苦しみが分かる」
と語り、事件が遺族に与えた痛みを想像しながら謝罪の言葉を述べた。

この言葉は、これまでの公判でみられなかった態度の変化として注目された。


■ 昭恵さんは不在…前日の公判で初出席

安倍氏の妻・昭恵さんは12月3日の公判に初めて姿を見せ、
「被害者参加制度」を利用して傍聴席から裁判の様子を見守った。

遺族としての思いを胸に、公判中の山上被告の発言を静かに受け止めたとされるが、
翌4日の公判には出席しなかった。


■ 標的を「教団幹部」から「安倍氏」へ変えた理由

山上被告は事件前、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に対し強い憤りを抱いていたことが知られている。

弁護側の質問に対し山上被告は、当初は教団幹部を標的に考えていたが、
教団と政治家の関係性を独自に調べるうちに標的が安倍氏へと変わったと説明した。

だが今回の公判では、

「安倍氏が命を落とす必要はなかった。
彼を殺害したことは明らかに間違いだった」

と明確に述べ、これまでより踏み込んだ反省の姿勢を示した。


■ 「影響力の大きい人物を殺害した責任は極めて重い」

さらに山上被告は、
安倍氏が政治的・社会的に大きな影響力を持つ存在であったことに触れ、

「選挙期間中という社会的緊張の高い時期に起きた事件だったこと、
模倣犯や陰謀論も自分の行為が原因となった。
非常に責任は重い」

と語り、自身が社会に与えた負の影響について改めて反省を示した。


■ 事件後の社会への影響にも言及

事件がきっかけとなり、旧統一教会に対しては解散命令が請求され、
「宗教2世」問題が大きく取り上げられるようになった。

山上被告はこれについて、

「ここまでの展開は予測できなかったが、
当事者たちにとって、そして社会にとっても必要な議論だったと思う」

と述べ、「結果として社会が抱えていた問題が可視化された」との考えを口にした。


■ 初回から続く「自責の念」

山上被告は今年11月に行われた初回の本人質問でも、

「自分は45歳まで生きていてよかった人間ではなかった。
多くの迷惑をかけた」

と述べ、自責の念を示していたが、
その時点では安倍氏本人や遺族への明確な謝罪はなかった。

今回、遺族に直接言及したことにより、
山上被告の心境に一定の変化があった可能性があるとして、法廷の空気も一段と緊張感を帯びた。


■ 裁判は今後も続く

事件の衝撃度、社会的影響の大きさ、旧統一教会問題との関連など、
この裁判は日本社会にとって極めて重大な意味を持つ。

奈良地裁での審理は今後も続き、
量刑を含めた最終的な判断が下されるのはもう少し先になる見込みだ。