今秋の異常事態…ヒトの生活圏にクマ 「意図的に攻撃」も多発 「なぜ」解明はこれから

今年4~11月、クマによる人的被害は速報値で230人、犠牲者数は過去最多の13人に上り、深刻な状況となっている。ヒトとクマ類の共存を目指すNGO「日本クマネットワーク」は、秋季のクマ被害について「従来の身を守る行動や子熊保護にとどまらず、意図的に攻撃する事例もある」と指摘。どの個体がどのような目的で市街地や住宅街に侵入しているか、多くは未解明だとしている。
背景にはクマ類の個体数増加と分布拡大がある。兵庫県の分析では近畿圏のクマは年15%増加しており、捕獲がなければ5年で倍増する計算だ。日本クマネットワークによると、平成30年までの40年間で分布は約2倍に拡大し、少子高齢化や都市集中による農山村の過疎化も影響している。加えて、今秋はクマの主食であるドングリが不作で、果樹園や耕作地への出没を誘引しているという。
環境省は「クマ被害対策パッケージ」をまとめ、春季の捕獲強化や全国的な個体数調査・推計などを盛り込んだが、専門家からは「十分ではない」との指摘もある。野生動物管理をボランティアに依存してきた日本の現状では、市街地での対応が難しいという。
日本クマネットワークは、ヒトとクマのゾーニングの徹底、行政体制の整備、科学的モニタリングと順応的管理の導入を提言。最新の知見を生かした体制構築が、増加するクマ被害への対策として急務とされている。
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